プリキス!!







「それにしても……やっぱお金持ちでもヤンキーはヤンキーなんだね。」


廊下を歩いてて、二人に頭を下げる人達は皆すごい髪をしてたり、凄い腰パンだったり。



その辺は、漫画の世界とは変わらないな。





「まー、この街で起こってる事は全部世間には公表されないし、調子乗ってる奴も多いよね。」


「恵がこの中で一番偉いってのも違和感だよねぇ。」







「ところで烏丸。……それは、無意識なの?わざとなの?」


「え?」



コホンと1つ咳払いをして橘が言ったのは、私が掴んでる恵の袖だった。




「あ、ごめん、恵。袖が伸びちゃうね。」



一応隠飛羽のだから、それなりに高いよね。






「いいよ。手の方がいいんじゃない?」


「ん。」


差し出された手を握る。




「無自覚なんだよなぁ……。」



橘が小さい声で何か言ってたけど、よく聞き取れなかったや。









「ところで、不良といえば姫がお決まりですが。」




「お決まりなの?」

「当たり前でしょ!」



ええもう枕詞並に。垂乳根の→母、ヤンキー→姫くらいだと力説してやりましたよ。





「王道の展開としては、イケメン総長と天然の姫との恋だよね。あと腹黒副総長とか萌えるよね!」





橘は苦笑いしてた。

やれやれ、みたいにね。



恵は……


「…………初伊が西凛に来ればきっと全部出来るよ?」





なんて言ったけど、私は萌えたいのであって、実体験したいわけじゃなくて、

むしろ萌える展開をお客さんとして見たい派なんで、却下ね。






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