プリキス!!
「……いやいやいや、別人でしょ。」
あの人は烏丸初伊。
吉良先輩の妹。
自分にそう言い聞かせるけど、頭の中ではテンパってて。
「……これ、富豪の裏事情的なやつなの?スクープなの?え……これ、他言していいやつなのー?!」
政府のデータにハッキングしたのが間違えだったのか。
知りたい事以上の秘密を知ってしまった。
「もういい……。普通に烏丸財閥の所にハッキングしよ……。」
出てきた情報は売上のこととか、新商品の開発とか、秘密だろうけど俺には不必要な情報ばかりで。
でもそんななか見つけた1枚の写真。
それは烏丸財閥のパソコンから、烏丸真尋って人が送ったメールに添付されていた1枚。
それは、3人の子供が森のようなところで微笑む一枚だった。
左の女の子は、小学校高学年位の歳の子で髪を綺麗にハーフアップにしている子。
「これ……志乃先輩。」
幼いけれど、表情や顔のパーツは隠飛羽のクイーン、志乃先輩のもので。
右側には幼い頃の吉良先輩と思われる少年がいた。
そして真ん中には、満面の笑みで二人と手を繋いでいる、黒髪ショートカットの青い目の女の子。
「これが、初伊先輩……。」
仲良さそうな彼らはやはり兄弟としか思えなくて。
でも、初伊先輩は吉良先輩の本当の妹ではないんだろう。
だって常識的に考えて、家族の中で初伊先輩一人だけが青い目な訳ないから。
そう考えると、さっきの花京・ラッセル・フローレンスという人の血が混ざってるんだと思う。