プリキス!!




「なぁ、西島ぁ。さっきなんか言ったんだよなぁ?……地球が滅亡する並に重要な事を言ったんだよなぁ?」





ふふふふ、といつも通りに美琴先輩は笑うけど、口調はブラックモード。


もう一回言えよ、と西島先輩に凄む。




「い、い、いってませぇーん!」



が、西島先輩、あっさり敗北。

ごめんなさーいと叫んで逃げていってしまった。



美琴先輩はまたもう一眠りしようとしてる。


けど大切な電話が来てたら困るだろうと思って、俺は渋々起こしに行った。




「せんぱーい、美琴せんぱーい。」

「……なに。」


起こすと案の定顔が超不機嫌な美琴先輩。

でもそんな先輩の最近出来た唯一の弱点があったりして。




「“黒爪”」



耳元でそう呟けば、よし来た。


先輩は目を見開いた。





「“黒爪”がどうしたの?!」




がばっと起き上がった先輩は俺の制服の襟元を両手で掴む。


どうしたって聞かれてもなんでもないんだよな。



「いや、えーと……“黒爪”って言ってみただけっす。」



てへぺろ、とちょっと古ーいキメポーズ。





「ふふ……ねぇ……蛍……死にたい?」




僕の弱点につけ込むとはいい度胸だね?と先輩は微笑んだ。

性格にいうと、悪魔の笑顔で。


やばい、殺られる。


そう本能が理解して。





「すみませんすみませんすみませんでした!美琴先輩、電話ですよ!」


そういい逃げして俺は部屋からダッシュで逃げたのだった。
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