プリキス!!
午後五時。
今度は東校ヤンキー達のほとんどが街に出払っているため、俺と美琴先輩の二人しかその部屋にいなかった。
成長期真っ盛りのこの年頃の男子達だ。
夕方になれば皆コンビニやファミレスに食料供給に行くんだ。
で、俺は軽いものをコンビニで買ってきてもらうことにして……
「チェックメイト。」
「あああー、先輩強いっすね。」
美琴先輩とチェス中だったりする。
この人、実はかなりのボードゲーム好きで、チェスのルールを知らなかった俺も連盟に入ってからかなり覚えさせられた。
「次はさぁ、将棋にしよ?」
チェスの駒を片付けながら楽しそうに言う美琴先輩。
こういう時だけ天使の笑顔。
このエンジェルモードがいつまで続くかなぁ、と考えていたけれど。
♪~~♬
さて始めようかなという時に先輩にメールが来た。
ちょっとごめん、とそれを確認した先輩の目は途端に輝きを失って。
「……先輩、どうかしました?」
「本当うざい。もうあいつ、西にいられないようにしてやろうか。」
ああ、またあの人からのメールだったんだとその言葉で分かった。
その後将棋が始まることはなく、暫くソファーの上で美琴先輩は何かを考えているようだった。
その間俺は携帯でテトリスをしていました。