プリキス!!



「橘さん。ところで私はどこまで行くのでしょうか。出来れば人の少ないところへお願いします。」


「申し訳ありません。めぐに仕事をさせたいので、音楽室へむかっております。ヤンキーの巣窟です。」





なんだと。


ヤンキーの巣窟は……怖いなぁ。






頭を抱えていれば、ねぇ、と恵。





「初伊……さっきの話に戻るけどちょっと前に栄養失調で死にかけたの覚えてるでしょ?面倒なら電話してくれればご飯作ってあげるから。初伊のためなら今流行りの主夫にでもなってあげるよ。」






なんかアピールが混ざってるよ。



でも……そうだね。


倒れたね、2ヶ月ほど前にね。



ちょっとお姉ちゃんがクイーンの仕事が忙しくて帰ってこれなくて、


お兄ちゃんはやっぱり帰ってこなくて。


で、私は受験期で、集中してたら2日位ご飯を食べていなかった。



いや、忘れてた訳じゃないよ!



気づいたら2日たってただけ!



今は合鍵を持ってる恵だけど、当時はどうやったのか、鍵もないのに普通に部屋に進入してたんだよね。

で、恵に発見されて、びっくりして立ち上がったらフラッと倒れちゃって、



気づいたら2日たってたって言ったら氷のような目で睨まれて



隠飛羽町唯一の病院……慶西総合病院っていって、恵のおじさんの病院なんだけど、



そこにうっかり連行され


大袈裟だなぁって思ってたら


いや、あのね、何か2日食べてないのに加えて、普段の食生活もゼリーだけとかだったのね。



そしたら、意外に重症で、このままだったら死ぬよ!って言われて、入院しました。





「本当に……初伊、俺を殺す気?」

「へ?なんで?」



そんな気全くないし、何でそんな話になったの?

流れ的には、むしろ私が死ぬ流れだったよ。


恵はキョトン、として言った。




「初伊が死んだら俺も死ぬじゃん?」





「は?!生きてよ?!」


何その訳分からないシステム?!


「初伊が死んだらもう用ないから。ここに。」


恵が笑顔で指さしたのは地面。





「〜〜〜っ、この病み王子が!」




後からこの校舎、声が凄く響くことを知ったけど、

この時は芸術棟中に響きわたってたらしい。






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