プリキス!!
「蛍は、明日初伊ちゃんをここまで連れてきてね。」
「……。」
そして何やら巻き込まれた模様。
まぁ逃げれるとは思ってない。
思ってないが、勝手に計画の重要ポストに入れるのはやめて欲しい……。
「……いつやるんすか……?」
「んー……学校行く時は、クイーンと行くよね。家まで着くと橘君が来ちゃうらしいし。初伊ちゃんが学校から、家まで帰ってくる間かな。」
ハッキングの力を生かして監視カメラを味方につけなよ、なんて簡単に言うけど、あれもなかなか面倒なんすからね!
明らかに乗り気じゃない俺。
そんな俺に美琴先輩はこう告げた。
「失敗は、許さないから……ね?」
はい、精一杯頑張らせて頂きます。
次の日はかなり早い時間から俺と美琴先輩は東の一室でコンピューターと向き合っていた。
と言ってもしっかり向き合っているのは俺だけで、美琴先輩は眠そうにしている。
早朝から初伊ちゃんの家の近くの監視カメラハッキングしていて。
なんか変態みたいじゃないか、と思いつつも渋々。
そんな中、家から身長の高い女の子が一人現れた。
クイーンと思われる、カナ女の制服姿の女の子。
「あれー……先輩、初伊先輩出てきません。」
「えー、本当ー?」
俺の報告に目を擦りながらも先輩は画面を確認する。
家の外に出てすぐにクイーンはどうやら電話をかけ始めたようで。
「声聞こえないの?」
「無理っすね。」
いくら高性能でも出来ませんて。