プリキス!!
「あれ、クイーン行っちゃった。」
「初伊先輩はどうしたんでしょうね……。」
電話をかけ終わった後、クイーンはちらりと家を振り返ってそれから学校へ向かったみたいで。
もし初伊先輩が学校に行かないなら、計画は全体的に変更になるのだろう。
「……あ、吉良君!吉良君だよ、これ!」
それから3、40分後、烏丸家に現れた一台のバイクと一人の男。
確かにそれは吉良先輩のバイクに間違いない。
「さっきの電話は吉良先輩を呼んでたんすね。」
「じゃあ吉良君が出たら、蛍、バイクに乗って
初伊ちゃんの家までゴーだよ。」
なーんて話してたのが、大体8時半頃。
「なかなか、出てこないね。」
「もしかして、このまま出てこないんじゃないすか……?」
そんな話題が出るくらいに、吉良先輩は出てこなかった。
朝からパソコンを見てるけど、時間としてはもうすぐ12時。
美琴先輩も飽き始めてきて、もしかしたらこのまま終わるかもしれないなぁ、なんて考えていた。
それで済むなら、それがいいなぁなんて甘い考えでいて。
でも、隠飛羽で副総長を始めてから、甘い考えが通った事なんて一度もない。
案の定、吉良先輩は家から出た。
「蛍、今だよ。」
「……はい。行ってきます。」