プリキス!!


副総長になった時に美琴先輩からプレゼントしてもらったショッキングピンクのバイクに跨り、俺は初伊先輩の家まで向かった。



もともと人の少ない隠飛羽。

今はふつーの生徒達は授業中だし、隠飛羽の数少ない大人達は働いてるしでほとんど道路には誰もいないし何もない。




「風、きもちー……。」




春の陽射しは凄く暖かくて、眩しくて。

凄い気持ちいい。



そんな、うららかバイクタイムは割と早く終了した。


というのも初伊先輩の家……目的地まで、バイクを飛ばせたこともあってすぐに到着したからだ。


表札を確認。

よし、烏丸って書いてあるから間違いはない。



家の前で待っているうちに、ある事に気がついてしまった。

吉良先輩すぐ帰ってきたらどうしよう、ということに。




顔は知られてるから、偶然通りかかったで許されないかもしれない……!


しかも吉良先輩は強いから、無事ではきっと帰れない。


バイクで逃げればどうにか……いや、すぐに追いつかれる!


早く出てきて下さい、初伊先輩──!




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