プリキス!!
「あの。」
声をかけてきたのは、大勢の不良達だった。
俺らにも紹介してほしいんですが、と言う不良達に、橘はえーっと、と考える。
「あー……中学の時からの同級生で、西凛生だけど登校拒否中の、烏丸初伊さん。」
「とっ……」
思わずすごい勢いで橘を見てしまった。
と、登校拒否ですか?
橘はシーっと口に人差し指を当てる。
……きっと、カナ女だってバレないようにしてくれたのかな。
「俺の大切な人だから、手だしたら殺すよ。」
いつのまにか後ろから私の首らへんに腕を回して抱きしめてきた恵。
「〜〜〜っ。どうしてそんな事恥ずかしげもなくいっちゃうのかな。」
「事実だもん。」
ちょっと余裕な表情がムカついたから、足を思いっきり踏んずけた。
「大切な人って事は、次の姫か?」
「そしたら宮前さんは……?」
ざわめく教室。
姫先輩はいつの間にか部屋からいなくなっていた。
良かった。もしここにいたら気を悪くしていたかもしれないから。
私は橘にさっきから気になっていたことを聞いてみる。
「ねぇ橘。姫ってさ、総長の恋人だよね?」
「うん。でも今代は別。卒業した前の総長の恋人が宮前先輩で、めぐに西の恋人がいないから、現状維持ね。」
「あー、だからかぁ。
姫ってわざわざ言うってことは牽制に来たんだね。」
それに凄い質問してきたのも、西凛の制服を来た、一見西凛生の私が恵の恋人だったら困るからだね。
「あ、気づいてたの?」
目が輝いてるから、気付いてないんだなって思ってたと橘は言う。
「状況判断力はあるのです。」
「知ってる。」
ふふふ、と橘と顔を見合わせて笑った。