プリキス!!




「えれな……誤解してたの……?」


「はい、姫先輩はちゃんと愛されてたんです。だからその時、逃げないで、夏菜子ちゃんの事を聞けば良かったんです。」





そうすれば姫先輩は、寂しい思いも辛い思いもしなくて済んだ。



全ての原因は、姫先輩が本当の事を知ることを怖がっていた事と、悠河先輩がシスコンだった事。







「悠河……悠河くんっ……ごめんなさいっ……ごめんなさぁい……っ!!私、悠河が大切にしてた連盟の人達に……っ……。」




ガクンと膝をおって姫先輩は泣き崩れた。


ごめんなさい、と地面を濡らす。







部屋が、姫先輩の泣き声に包まれて。




そんな中、コツコツと靴をならして恵が姫先輩の前に歩いて行った。






「宮前先輩。俺は、宮前先輩を姫にする気はありませんでした。胡散臭い女だと最初から、嫌ってました。」




膝を折ってる姫先輩を見下すように恵は言う。



話が纏まりつつあるときにコイツは何を言うつもりだ?!




恵!と諌めようとしたけれど、偶然視線の合った東麻君は、しーっと人差し指を唇に当てて黙るように要求した。




《さいごまで、きこ?》




口パクで、そう告げられる。








「っ、知ってるよ……!恵君が私を空気みたいに扱ってた事は……!」


「いや、空気は美化しすぎです。言うなれば……公害?」





おおい!!

なに言ってる西巴!



ここに来てなんで姫先輩を傷つけ始めたの?!






< 159 / 422 >

この作品をシェア

pagetop