プリキス!!
「えれな……誤解してたの……?」
「はい、姫先輩はちゃんと愛されてたんです。だからその時、逃げないで、夏菜子ちゃんの事を聞けば良かったんです。」
そうすれば姫先輩は、寂しい思いも辛い思いもしなくて済んだ。
全ての原因は、姫先輩が本当の事を知ることを怖がっていた事と、悠河先輩がシスコンだった事。
「悠河……悠河くんっ……ごめんなさいっ……ごめんなさぁい……っ!!私、悠河が大切にしてた連盟の人達に……っ……。」
ガクンと膝をおって姫先輩は泣き崩れた。
ごめんなさい、と地面を濡らす。
部屋が、姫先輩の泣き声に包まれて。
そんな中、コツコツと靴をならして恵が姫先輩の前に歩いて行った。
「宮前先輩。俺は、宮前先輩を姫にする気はありませんでした。胡散臭い女だと最初から、嫌ってました。」
膝を折ってる姫先輩を見下すように恵は言う。
話が纏まりつつあるときにコイツは何を言うつもりだ?!
恵!と諌めようとしたけれど、偶然視線の合った東麻君は、しーっと人差し指を唇に当てて黙るように要求した。
《さいごまで、きこ?》
口パクで、そう告げられる。
「っ、知ってるよ……!恵君が私を空気みたいに扱ってた事は……!」
「いや、空気は美化しすぎです。言うなれば……公害?」
おおい!!
なに言ってる西巴!
ここに来てなんで姫先輩を傷つけ始めたの?!