プリキス!!
姫先輩はすぐにその足で西に向かった。
まずは謝るところから始めるって、出ていった。
そして夜には、ちゃんと今までのことを悠河先輩に言うって。
許されなくても、もう一度アタックすると意気揚々に出ていったんだ。
姫先輩に、幸せが訪れますように。
私はそう、切に願う。
*
「ちょっと、恵、離っ……離して!」
東榮の校舎内、来た道を引き返す恵と私。
恐ろしい事に、東の制服を着てる不良達が、道に横たわってる。
その中に3人の姿はないから、どうやら無事らしい。
で、何が問題かと言うと……
体勢が問題。
まさかのお姫さまだっこだ。
「駄目。もう一歩も歩かせない。初伊、熱あるんだよ?今すぐ帰って布団の中に閉じ込めなきゃね。」
「いや、それは良いんだけど、せめておんぶとか……。」
「初伊の顔が見えなくなるから駄目。」
それから何を提案しても、却下され続け、とうとう校舎内を出てしまった。
「あー……この先に吉良達が……ダメ元で聞くけど、おろしてくれない?」
見られると恥ずか死ぬもん。
特に吉良に。