プリキス!!
「迷惑なんてどうでもいい。お前が……無事ならそれで良い。それに、昔言った筈だ。」
吉良は私にだけ聞こえるように、耳打ちをする。
《これに誓って、お前を守る。》
そう言って吉良が制服の胸ポケットから取り出したのは。
「忘れたか?」
しわくちゃの四葉のクローバー。
義兄妹の、証。
忘れたか?なんて、忘れる訳ないじゃん。
そんな泣きそうな顔で言わないでよ。
「っ、………馬鹿……馬鹿兄貴!!」
私は吉良の胸の中に飛び込んだ。
だって、そうしないと涙が溢れそうで。
そんな約束、もう無効になったかと思ってた。
そんなもの、もう捨てたと思ってた。
「私の事、もう嫌になったんじゃないの……?」
「お前は手が掛かる妹だから、嫌いになろうにもなれないな。」
吉良は優しい手つきで私の頭を撫でた。
「今……妹……って?」
「ああ。お前は世界に一人の、俺の妹。大切で、手の掛かる可愛い奴。」
そこでもう、私の涙腺が崩壊した。
人目もはばからず、わんわん泣いてしまった。