プリキス!!



その後、ちゃんと恵と橘にもう一度深々とお礼と謝罪をして、私達は家に帰ってきた。



最後は「俺、初伊の看病するから西には戻らない」なんて言ってた恵。



「いや、今西に帰らなきゃ、突然宮前えれなに謝罪されて戸惑ってるあいつらが不憫だ!」







橘の必死の説得に恵は打ち負かさ……れる訳はなく。



最後には恵は半ば強引に引っ張られて行きました。












「んー……美味しいー。とろとろ卵が体に染みるー……。」


昼に出たのに帰宅時間はまさかの夕方5時。


その間私は何も口にしておらず、家に帰ってくるやいなや、安心したのか……



“グゥゥゥー”


盛大にお腹が鳴った。




「待ってろ、今作ってやる。」




そう言って吉良はキッチンへ向かった。



私も手伝うよ!と言おうとしたけれど、

「病人なんだ。黙って休んでろ」と言ってくれた厚意に甘えて、部屋に戻った。




部屋に入れば、脱ぎ散らかしたパジャマが散乱していて。


取り敢えず西のセーラーを脱いで、パジャマになろう。


私は着替えようとボタンに手をかけ気がついた。





「やばい……橘の持ってきちゃった。」







そう、私は破れたセーラーの上に橘のカーディガンを羽織っていた。



「あ。後で恵の家に行って……返してもらえるように頼んでおけばいいよね。」



恵の家が隣だった事に珍しく感謝した瞬間だ。




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