プリキス!!
そんなこんなで吉良が作ってくれた卵粥を部屋でEATです。
「熱いから冷まして食べろよ。」
「分かってる。」
お兄ちゃんは私と自分の分のお茶碗を持ってきた。
その中にはクツクツと煮立った卵粥。
確かに熱そう。
軽くフーっと息を吹きかけ、口に入れようとしたその時。
「初伊、ストップ。」
「え?」
レンゲを持った私の手を掴んだ吉良。
「何?」
「ちゃんとやれ。中途半端な冷ましだと火傷するぞ。」
「別にもう大丈夫。」
「面倒なら俺がやってやる。」
半ば強引にお兄ちゃんは私のお茶碗を奪おうとした。
……いやいやいや、待て待て待て。
「お粥の醍醐味は、火傷しそうになりながらハフハフなのを食べる事だよ?!てか……お兄ちゃんってこんな過保護だっけ?!」
「悪い……夜白との癖だ。」
夜白との……癖?
どういう事?と首を傾げる。
「あいつは……俺が放っておくと毎日のように朝帰りするし、かと思えば行方不明になるし……いつの間にか俺は母親みたいになってた。」
あいつは猫みたいな奴だ、とボソッとお兄ちゃんは愚痴をこぼす。
「ふふっ……やっぱり夜白は猫だよね。」
虎じゃなくて、猫。
寂しがりやの猫ちゃんだ。
私の言葉の意味が分からなくて、今度はお兄ちゃんが首を傾げた。