プリキス!!
陰飛羽では、漫画の需要がない。
というのも、全生徒の半分以上はお金のあるお坊ちゃん・お嬢さんだから。
ちなみに私の通う聖カナン女学院においては、
“漫画なんて、庶民が見るものよ。オッホホホホー”派系御令嬢と、
“漫画……って、何でしたっけ……。何処かの雑誌の名前でした?”派系お嬢様に分かれる。
生粋のお嬢様を集めてるカナ女では、断然後者が多く、
もし私が、「漫画って知ってる?」ってクラスメイトに聞いたら……
「マンガン……?二酸化マンガンのマンガンでしょうか……?」
うーん、マンガンかぁ……遷移金属じゃないかなぁ……
もしくは
「存じておりますわ。鳥獣戯画が前身の読み物ですわよね?」
んー……もっと人が動くかなぁ……
となるだろう。
決して誇張しているわけではなく。
世間知らずなお嬢様ばっかりだから。
まっ、かくいう私もその世間知らずなお嬢様なんですが。
という訳で、反漫画派とそもそも漫画を知らない派のせいで、陰飛羽では漫画は売られていない。
1箇所の古書店を除いては。