プリキス!!
ドンガラガッシャーンッッッ!!!
「……何?」
家を出て、三十分は経過して。
傘を片手にカエルの歌なんてかるーく口ずさんで歩いていたら、
背後から大きな物音が聞こえた。
振り返ると……
「さいっあく。……あーもう、どうやって持って帰ろうかな……。」
自動販売機の前で、5、6本の缶ジュースを落とすピンクドットの傘を持つ女の子がいた。
あれは……どうみても持ちきれないよ……。
女の子は手に持っているのと落ちているの、合わせてだいたい10本位の缶ジュースを買った模様。
でもね、今は雨が降ってるから片手は塞がってるし、
晴れてたとしても、一人で10本弱は持てないと思うんだ。
こういう時は誰か男子が手伝ってあげるといいんだけど……。
私が手伝いに行こうにも、自分自身手が小さいのを自覚してる位だし、あんまり力になれないだろうなぁ……。
それからしばらく女の子を見てたんだけど。
通行人が、誰も助けようとしない!!
男子も女子も、目を合わせないようにそそくさと逃げていく。
「あの、私も持つの手伝いましょうか。」
困り顔の女の子。
力になれるか分からないけど、もうここは私が手伝おう。
意を決して、彼女に話しかけたんだ。