プリキス!!
行成side
「ちょっとめぐ……。」
「……。」
午前11時。
俺とめぐは、車の中にいた。
これから北校連盟が普段使ってるという倉庫に迎う途中だった。
四校連盟総会は、東西南北が順番に場所を提供して行われており、今回のホストは北なのだ。
しっかりと空調の効いた心地いい車。
西校連盟専属の運転手に、快適なドライブを約束されているなか、めぐの機嫌が悪いのは、勿論これから行く所のせい。
めぐは烏丸以外誰も好きではないだろうけど、俺は北校連盟総長が嫌いだ。
めぐに烏丸を取られたくないクイーンが渋々めぐに烏丸を任せたのは、北校連盟総長からめぐを守る為だと思う。
それほどまでに烏丸を彼から遠ざける理由は、
そいつがあまりにも女癖が悪すぎるから。
北校連盟総長は、四校総長の中で唯一の2年生である。
彼は高1の時に連盟総長に就いた。
───彼の噂は俺たちが中学生の頃からよく聞いていた。
“北を見るな。妊娠するぞ。”
そう言われるほどの女癖の悪さを。
そこまで言われれば普通の女の子はそいつに近寄らないんだけど、当時宮前先輩みたいに“姫”の名前が欲しい女が北に物凄い集まって……
“私が総長に口説かれたのよ!”と言い張る女同士の超醜い争いが行われたとかなんとか。
で、それを収めたのが副総長。
彼は有り得ない方法でそれを鎮めた。
うん……本当に凄い方法だ。
ちなみに彼がその方法をとってから北校連盟総長は特定の姫を作っていない。
というのも、“クオリティーが高すぎるから”。
「到着しました。」
運転手が車を止めた。
着いたのは大きな倉庫。
さて、憂鬱と不安しかないパーティーのはじまりだ。