プリキス!!
鈍い吉良先輩と何も知らないであろう北原以外は俺の言ったことの真意を理解したようで。
片桐は苦笑いをし、
東麻は少し反応しつつも無表情
南城は「犬な」、と口の端をあげて笑い、
肝心なめぐは、「とっても可愛いんだよ、まぁお前には一生見せないけど」と笑顔で毒を吐いた。
「……西巴君は、私のどの辺がそんなに嫌いなので?」
「は?その存在がだけど何か。」
「うわぁ、先輩にグイグイ来ますね。」
だめだ、場が嫌悪になる一方だ。
というか、和やかにしようと思ったのがまず出来ない相談だったんだよ。
だって、こいつら仲が最強に悪い上に、一人一人がくせ者すぎるから。
俺はもう和やかにするのを諦めた。
見ると片桐も同じことを思っているような表情で。
……お互い苦労してるな、と是非慰め合いたい。
それから15分は経過した。
コツ、コツと壁に掛かっている振り子時計の音しか聞こえない、重すぎる空気と沈黙を破ったのは。
「おーい!誰か来てー!」
帰ってきた、春瀬の声だった。
「あ、俺行きますね。」
この中では一番年下の片桐が、気をつかって入り口にいる春瀬を手伝いに行って。
「灰音、遅かったですね。」
部屋に帰ってきた、六本のジュースを持ってる春瀬に北原が話しかける。
だけど晴瀬は何だか忙しない。
彼は近くにあったビニール袋に三本のジュースを入れながら言った。
「予想外の事が起きて。ちょっと待ってて、今お礼行ってくるから。」
それから春瀬は上機嫌に玄関に向かおうとした。