プリキス!!



「どういう事っすか?」


「……お前には言わない。さっきので、信頼と好感度が地の果てだからね。」


「そんなぁー。」





教えてくださいよー、と言う片桐を無視して俺は倉庫の中に戻る。

雨の中長話をしていたから体が少し冷えてきたみたいだ。


でも戻ったところで部屋の中も冷えきってるだろう。


違う意味でだけど。





「ただいま戻りましたー……。」


小さい声でそう呟いて扉を開ければ。




「……。」

「……。」

「……。」





最強にブリザードな空間がやはりそこにはあった。





「行成、帰るよ。」

「帰る?!この早さで?!」




帰ってくるやいなや、めぐはそう告げた。

会が始まってから1時間も経っていない。

表面上だけの親睦会だとしても、お開きにはまだ早すぎる。

めぐの我儘でそんな事を言ってるのかと思ったんだけど……




「俺達も帰らせてもらう。」


南城や烏丸先輩、東麻までも帰る支度を始めて。





「何?俺の不在中何があったの?!」

「いいから。帰るよ。これ以上こんな不愉快な場所にいる必要はない。」





あからさまに感情を顔に出すめぐに引っ張られるようにして、倉庫の出口に向かう。


その後ろには東南の奴らが続いた。






「うわっ……西巴先輩?!美琴先輩まで?!どうしたんすか?!」

「蛍ー。もうお開きだから帰るよぉー。」





丁度戻ってこようとしていた片桐と入口近くでばったり遭遇して。



「俺のいない間に何があったんすか?!」



片桐も俺と同じような事を言って驚いている。



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