プリキス!!
「先輩?」
「いやぁ……なんか……感慨深いって言うか。」
「何がですか?」
怒った様子はなく、むしろうるうると泣きそうになっている先輩。
どうしたんだろう……。
「初伊がさぁ……恋する乙女みたいな顔してるから……なんだろう。寂しいなぁ……。」
「こ……?!」
「誰の事思ってたの?私に教えてごらん。シスコンの志乃には黙っておいてあげるから。」
恋する乙女だなんて、とんでもない!
西の2人は親友と隣人!
「恋なんてしてませんから!」
失礼します!と勢い良く礼をして私はその場から逃げた。
走りたいところだけどそこは抑えて、
優雅に逃げ帰る。
あー……先輩ってば、何言ってるの……。
こんな暑い時にそんな冗談やめてほしい。
恋なんて……あー、先輩の馬鹿ー。
自問自答を繰り返すうちに教室の前についた。
先輩の言った事のせいでまだ頬が火照っていたけれど、根性でクールダウンさせる。