プリキス!!
「夏休みは、実家に帰る予定ですの……。ごめんなさいね。」
この騒ぎを収束させるために、少ししゅんとした顔でそう言えば。
「烏丸さん!お気になさらないで!」
「私達の我が儘ですから!」
「ええ、本当に我が儘ですの!」
とんでもない勢いでオロオロされた。
申し訳ない。
なんでこんな感じになってしまったんだろう。
多分……
・クイーンの妹
・烏丸の令嬢
・プリンスと知り合い
あたりから、ちょっと素敵ってなったのかな。
なんだか全部自分の力で得たものじゃないから、騙してるみたいで悪いなぁ、とは思ってる。
でも、彼女達からキラキラした目で見られるのは嬉しいから、
望まれるだけの令嬢でいようと頑張ってます。
しばらくお嬢様達と談笑していると、扉が開いて、
入ってきたのは、松竹 麗(しょうちく うらら)さんと言う名前の同級生。
私が教室で気を抜けない理由の半分は、実は彼女にある。