プリキス!!
カナ女はお嬢様学校で、皆おっとりしてるから、基本お洒落とかはそんなに頑張らない。
かくいう私も、朝は髪を梳かすだけ。
うん、女子力どこ行ったって感じだね。
でも彼女、松竹さんは違っていて。
「ご機嫌よう、皆さん。」
くるくるのハニーブラウン色の巻き髪に、ナチュラルメイクをしていて、素朴な子が多い聖カナンではすごく目立つ。
「ご機嫌よう、松竹さん!」
「ねぇ、今日もその髪素敵ね!」
「先日、紫翠の方たちと合コンなさったって本当?詳しく教えて!」
行動もなかなかアグレッシブな彼女は、クラスの半分位の女子から憧れの的である。
「まぁ、合コンですって。穢らわしいわ。」
「烏丸さん、聞かない方が良くってよ。」
私の周りの女子達は、それを聞いてざわざわと悪口をいい始めた。
「……皆さん、悪口は言わない方が……。」
「烏丸さん。」
事態の収束を願っているうちに、松竹さんに話しかけられて。
腕を組んで睨みを利かせてくる彼女に、内心ビクビクだ。
ぶっちゃけいつも見るヤンキーより怖い。
それでも動じないように見せかけて、にこやかに挨拶をする。