プリキス!!
あーいーつーっ……!
私になら何してもいいけど、馬に石なんか投げたら馬が可哀想だ!
それに、暴れ馬がお嬢様達の方に行ったら……危険すぎる!!
彼女の迷惑すぎる行動を恨んで、それからそんな事考えてる場合じゃないと正気になった。
この子を落ち着かせなきゃ!
「確かこの馬は……クロウ号!クロウ、聞こえるよね?石、痛かったでしょう?ごめんね。でも落ち着いて。」
クロウは依然として暴れたまま。
……駄目だ、興奮してて聞いてくれない。
「クロウ!お願い、落ち着いて。あなたなら、気持ちを抑えられるはずよ。」
それでも彼を冷静にする方法は語りかけることしかなく。
「落ち着いて頂戴!」
最後の願いを込めて手網を引けば。
ヒヒィン……
クロウは止まってくれた。
「烏丸さん!大丈夫?!」
先生が、駆け足で私の方に来る。
「烏丸さん、無事ですの?!」
お嬢様達も心配してくれたみたいで、駆けつけてきてくれた。
普段は大人しい子なんだけど、どうしたのかしら……と不思議がる先生に、
虫でもいたんでしょうと微笑めば事態は収束した。