プリキス!!
「人違いじゃ……ないよね。」
ジャニーズみたいに可愛い顔も、異国の王子様みたいな金髪も健在だ。
なにより東榮の学ランを来ているから間違えない。
でも……生気がない。
私が目の前にいるのに気づかないくらいぼーっとしていて。
そしてその綺麗な顔には、たくさんのあざがあった。
「東麻君、大丈夫?!」
声を張って体を揺すれば、
「え……あ…………初伊ちゃん?」
ようやく目線があった。
「早く……ここから逃げた方がいいよ。」
東麻君は私の存在に一旦驚いて目を見開いた後、途切れ途切れに苦しそうにそう言った。
帰り道はあっち、と震える手で指を指すけれど、こんな状態の人を置いて帰れる訳がない。
「置いて帰れない。東麻君、どこか痛いの?それとも具合が悪────」
「東麻ぁ!!」
「何処行った!!」
……なにこれ。