プリキス!!



「人違いじゃ……ないよね。」





ジャニーズみたいに可愛い顔も、異国の王子様みたいな金髪も健在だ。

なにより東榮の学ランを来ているから間違えない。





でも……生気がない。


私が目の前にいるのに気づかないくらいぼーっとしていて。







そしてその綺麗な顔には、たくさんのあざがあった。









「東麻君、大丈夫?!」



声を張って体を揺すれば、




「え……あ…………初伊ちゃん?」




ようやく目線があった。







「早く……ここから逃げた方がいいよ。」




東麻君は私の存在に一旦驚いて目を見開いた後、途切れ途切れに苦しそうにそう言った。

帰り道はあっち、と震える手で指を指すけれど、こんな状態の人を置いて帰れる訳がない。





「置いて帰れない。東麻君、どこか痛いの?それとも具合が悪────」





「東麻ぁ!!」

「何処行った!!」





……なにこれ。




< 247 / 422 >

この作品をシェア

pagetop