プリキス!!
遠くの方で聞こえる野太い声は殺気立って、東麻君を探してる。
「……なんかしたの?」
「……ふふ……僕が何かしたと疑うあたり、信用がないっていうか……嫌われてるっていうか……。」
拉致され襲われかけて信用もなにもないでしょうよ。
冗談はさておき、本当に何が起きているのかを聞けば。
「獅東男子校の……遊佐って奴を中心に……獅東で僕をよく思ってない奴らが、クーデターを起こしたんだよ……。東校総長にとって変わろうって訳……。」
「東麻君、強いんでしょ?それなのに……その遊佐って人、東麻君をこんなに出来るくらい強いの?」
「なわけないでしょ。あいつら笑えるくらい弱いよ……ただ、運悪く僕今熱あって……そこを攻められたから。」
そんなの汚いと呟けば、喧嘩に汚いもなにもないよと苦笑される。
「ともかく、早く帰って、今日はもう外に出ちゃだめだよ……。」
じゃあね、と一方的に会話を中断させられるけれど、こんな話を聞いたらより帰れる訳が無い。
だって今、遊佐って人の仲間達が東麻君を探してて。
見つかったら、東麻君はきっとボコボコだ。