プリキス!!
男達の姿が見えなくなったのを確認して、路地に戻る。
「焦ったぁ……。いきなり初伊ちゃん叫ぶから、前の恨みで売られたかと。」
「そんな事しません!」
万が一、こっちに不良が来ることを考えて立ち上がっていた東麻君。
私も信用ないね。
「取り敢えず、帰ろう。」
「無理だよ。東榮別棟には今、あいつらがいるから。」
「うん。だから、帰ろう。家に。」
そんな事はなから分かってるよ。
ここからなら、家は近い。
取り敢えず家で東麻君を匿おうと思っていた。
家に帰ろう。
そう告げれば、東麻君は眉をしかめて。
「ちなみにその家って、誰の家?」
「うちだけど。烏丸家。」
「……男をほいほい家に上げるなって……吉良君に教わらなかった?」
そんなこと言ってる場合じゃないよね。
……今の弱ってる東麻君ならおぶれそうだ。
きっといつまで経っても、東麻君は家に行きたがらないだろうから、強引におぶって帰る事を決意する。
「え、ちょ……初伊ちゃん何やって……!」
「おぶろうと思って。」
「お願いだからおろして!〜〜〜っ、歩くから!!」