プリキス!!

兎さん、脱走。










「っ……。」

「染みる?ごめんね。」







お兄ちゃんが帰ってきてから、我が家のリビングには救急セットが常備されるようになった。


というのも、うちの兄はピュアだけどヤンキーですので、怪我をして帰って来ることもしばしば。


それのおかげで、傷の手当ならもうお手の物です、いえい。






東麻君をソファーに座らせて、ガーゼで顔の切れている所を消毒していく。







顔の傷の手当をしてるから、東麻君の顔は近距離にあって。



試しに観察してみるけれど、

やっぱり、やたらエンジェルフェイス。



絶対私よりも睫毛だって長いし、

肌も透き通るみたいに白いし。

これで性格さえエンジェルだったら、

人間じゃないね、うん。





「初伊ちゃん。」

「んー?」




ふいに話しかけられて、バチリと視線が合う。

そんな彼は何やら真剣な表情で。




「え……なに?……!もしかして、ガーゼアレルギーだったとか?!」





< 252 / 422 >

この作品をシェア

pagetop