プリキス!!
兎さん、脱走。
*
「っ……。」
「染みる?ごめんね。」
お兄ちゃんが帰ってきてから、我が家のリビングには救急セットが常備されるようになった。
というのも、うちの兄はピュアだけどヤンキーですので、怪我をして帰って来ることもしばしば。
それのおかげで、傷の手当ならもうお手の物です、いえい。
東麻君をソファーに座らせて、ガーゼで顔の切れている所を消毒していく。
顔の傷の手当をしてるから、東麻君の顔は近距離にあって。
試しに観察してみるけれど、
やっぱり、やたらエンジェルフェイス。
絶対私よりも睫毛だって長いし、
肌も透き通るみたいに白いし。
これで性格さえエンジェルだったら、
人間じゃないね、うん。
「初伊ちゃん。」
「んー?」
ふいに話しかけられて、バチリと視線が合う。
そんな彼は何やら真剣な表情で。
「え……なに?……!もしかして、ガーゼアレルギーだったとか?!」