プリキス!!




「こしょば死ぬよ!」

「人間それくらいじゃ死なないよっ。」





くすくす笑う東麻君に開放されたので、膨れ面で睨んでみれば、全くの正論を返された。


その後、熱もあったし追われて疲れてたんだろう東麻君はソファーの上で眠ってしまった。


お兄ちゃんの部屋から持ってきた薄めの毛布を彼の上に掛けて、それから私は側で様子を見ていようとソファーの近くに座る。





東麻君、これからどうするんだろう。

お兄ちゃんとお姉ちゃんが帰ってきたら、怒られるかな……。




そう言えば昔……まだ私が小学校低学年位の時、猫を拾ったっけ。

あの時はお兄ちゃんもお姉ちゃんもノリノリで一緒に世話見てくれたから、意外と東麻君を連れてきたことも怒られないですむかも。


ほら、黙っていれば東麻君って、小動物だから……。









部屋の中は涼しくて、気持ちよくて。

私はいつの間にか、眠ってしまっていたらしい。








「……空が……オレンジ……。」


レースの薄いカーテンを通して、オレンジ色の光が部屋に入ってくる。


綺麗な空だなぁ。

明日はきっと晴れるだろう。




寝起きの、ボーっとした頭でそんな事を考える。


そんな時だった。




『カタン』





カタン?


玄関の方で物音がした。

無機質な扉が閉まる音。




お兄ちゃんが迎えにきたのかな……?



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