プリキス!!
最終目的地は、東麻君の家。
彼より早く着きたいけれど、今の状況は絶望的で。
「そうだ!蛍君に電話して……!」
副総長の蛍君なら、絶対東麻君の家を知ってるだろう。
そう期待して、ポケットからスマホを取り出して、電話帳を開く。
が、しかし。
「蛍君無い。……そうだよ、電話番号知らないよ!」
なんとなく助けてもらったからか、親近感があって、
連絡先を交換していたイメージがあった。
でもよくよく考えてみれば、蛍君は敵と言う立場だったから知らなくて当然なのかもしれない。
「仕方ない……!蛍君は無理なら……。」
電話帳を下に下にとスクロールしていく。
“天音先輩”
お姉ちゃんに全部情報横流しする。却下。
“お姉ちゃん”
クイーンだし知ってそうだけど、絶対怒られる。却下。
“お兄ちゃん”
知ってそうだけど(以下略)
“橘”
忙しそうだから、無理だ。却下。
……誰かいい人いないの?!
東校生の連絡先は知らないし、西校生か南校生の知り合いで情報通な人……
はた、とスクロールの手が止まる。
この人なら……いけるんじゃない?
お願い!と祈りながら、私は通話のボタンを押した。