プリキス!!




「ねぇ東麻君。じきに蛍君達が助けにきてくれるんじゃない?そう思ってるんだけど……。」



部屋に上げてもらった後、詳しい事の成り行きは聞いた。





いきなり遊佐さん達が東麻君に襲いかかった事や、

東麻君が一旦そこから逃げる必要があった事。

逃げた先で私に会った事や、女装をしようと思った経緯まで聞いた上で、取り敢えず一番期待出来ると考えたのは、東校連盟の東麻君派の人達に加勢してもらい、この状況を脱する事だ。





「来ないよ、多分。」




私はお兄ちゃんから大量の謝罪メールが送られてきているのを確認し、消去するという作業を続けながら彼に質問していた。


《着拒をやめてくれ》
《分かった。GPSの数を今後減らす。》


うん、何も分かってないからね。







「でもそんなに遊佐派が多い訳じゃないんでしょ?聞いた感じじゃ反乱軍っぽいし、遊佐派が割と強いとはいえ数じゃ……」

「来ない。」





ぴしゃりと。

正にそう擬音できるように東麻君は言い切った。

味方が来ることを一向に信じようとしない東麻君を不思議に思い、手元の作業を止めて彼を見た。






「どうしてそんな顔……。」



その言葉は、ポロリと私の口から溢れ出ちゃったんだ。

だって東麻君が────

あんまりにも、泣くように笑ってるから……。



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