プリキス!!





そっか、と彼は呟いた。



東麻君が微笑むから、私も自然と微笑んで。

少し、和やかな空気が戻ってきた時だった。



ヴォンヴォンと集団らしいバイクのエンジン音が響きわたったのだ。





東麻君は閉まっていたカーテンを少し開き、窓の外を確認した。

確認するまでもなく、私はあの人が来たと信じてる。

東麻君の少し驚いたような、それでいて喜ぶような表情を見て、それは確信に変わったけれど。





───蛍君、最っ高のタイミング。






東麻君はいてもたってもいられない様子で窓を開ける。


「蛍!!」


落っこちちゃうんじゃないかって位に東麻君は窓から身を乗り出して、自分の居場所を蛍君に知らせた。






「せんぱーい!!無事っすかーーー?!病人はそこで待ってて下さいねー!!」


東麻君に気づいたらしい蛍君の声が、聞こえて。



私のいるところからじゃ東麻君の後ろ姿しか見えなくて、蛍君の姿も見えなくて。

でも、きっと二人は笑ってるだろう。





打算とか、騙しあいとかとは程遠いような幸せそうな顔で笑ってるだろう。




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