プリキス!!




蛍君がいれば、東麻君が一人になることはないよ。

東麻君が望めばね、すぐ近くにある“大切”を手にする事が出来るんだよ。




“仲間”とか、“絆”とか。

見えないけれど、お金なんかよりずっと価値のあるそれらを、東麻君はきっと知ることが出来るだろう。





瞑想をしていたから、「初伊ちゃん」と名前を呼ばれてハッとした。

東麻君を見れば、彼はベッドの上で正座して、私の方をじっと見据えている。



「なぁに?」




見れば、東麻君の瞳は少しキラキラしていた。

それは、彼自身の涙なのか、これからの希望の輝きなのかは分からないけれど、さっきよりもずっとずっと綺麗な瞳だった。


安心したし、嬉しかったよね。






「初伊ちゃんは、僕の希望。」



安心しているところで、彼は満面の笑みでそう言う。

“希望”だなんて大層なものは恐縮すぎるけど、単純にそう言われた事は凄く嬉しかった。





「ねぇ、初伊ちゃん……側にいてよ?また暗闇に落ちそうになっても、初伊ちゃんがいてくれたら、何度でも明るい道を目指して進めるから。」


「えっとー、それは、つまり……?」




“側にいてよ”が気になって、意味を尋ねる。

友達になろう的な何かだろうけど……。

カナ女生と東榮の……総長サマ。

相容れる訳にはい────



「東に転校してきて、東の姫になってよっ。」

「ッ?!……ゲホゲホッ……」




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