プリキス!!
思いっきり吹き出した。
え?
何?
私の耳がおかしくなければ、本日2回目の“姫”にスカウトされなかった?!
咳き込みながら東麻君の方を見れば。
「ごめんね……この間、散々な事しておいて言える筋合いないよね……。」
さっきの満面の笑みとは一転。
しゅんと俯いて、今にも泣きそうだ。
しかもそんな東麻君の頭に、力なくへにゃりとしぼんだうさぎ耳まで見えてきた。
弱いものいじめをしている気分になってきたぞ。
「初伊ちゃんと仲良くしたい……」と呟いたうさぎさん。
そんな東麻君に、友達になれないなんて言ったら……可哀想すぎるし、良心が痛い!!
「転校は出来ないし、姫にもなれないけど、仲良くしようよ!友達!ウィーアーフレンド!」
半ば叫ぶように東麻君にそう言えば、彼はぱあっと顔を輝かせた。
「じゃあさ、僕と初伊ちゃんは友達?!」
「そ、そうだよ。」
飛びついてきそうな勢いで言う東麻君に圧倒され、私はちょっと物理的に距離を取ろうとした。
─────が。
「ぎゃあっ!」
飛びついてきそうという表現は、かなり的確だったらしい。
彼は、飛びついてきた。
布団の上から、私のいるフローリングの上まで一直線だ。