プリキス!!





「……?」



扉の中。

さっきまで活気溢れていた楽しい空間には、

シーン、と震える位静かな空気が存在していて。





何があったんだろう、と目を凝らす。





そして……そこに居るはずのないイレギュラーな人を発見した。

ソファーに座る夜白と睨み合ってるのは、金髪麗しき美琴。

そして美琴の背中に隠れ、怯えている蛍君だ。






「よぉ……南に何しに来た。」

「南城君には用は無いんだよねえ。消えてくれて構わないよっ!」





あ、なるほど。

この驚くほどブリザードな空気を作り出していたのはこの二人。

夜白の睨みは背筋を凍らせる程のものだし、美琴の笑顔も黒過ぎて心臓が止まりそうだよね。




事実、夜白を見た蛍君は震え上がってるし、美琴を見た南校ヤンキーズも肩を寄せ合ってる。





……私は一体、どうすればいいだろうか。

こんな空気の中、部屋に入れるほどの勇気はないし、だからと言って外に出てたら、「水南の生徒がいるー」って目立っちゃうし。


困っていたらふと、夜白の傍にいるお兄ちゃんと目があった。





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