プリキス!!



お兄ちゃん、私の心配してくれたんだ。

でも、大丈夫だよ。

美琴も夜白も恵も、みんないい人だもん。



「心配してくれてありがとう、おにーちゃん。でも、大丈夫だから。」




そう言って笑いかければ、ハァと溜息をつくお兄ちゃん。

眉間を押さえている彼は、私が一度決めたらそれを曲げないのを知っている。




「…………好きにしろ。」




突き放すような言葉だけど言い方は優しくて。

そのツンデレ具合に思わずニヤニヤしちゃえば、《必殺!殺人デコピン》をお見舞いされました。











「てゆーかぁ、吉良君僕の事信用しなさすぎじゃなーい?」

「俺が兄でも信用は絶対しません。」




目の前には、むうっと膨れる美琴に素早く蛍君がツッコんでいるという光景。

さっきいた部屋から場所を変え、やってきたのは応接室みたいな所。

あの部屋には夜白専用のソファーが一個あるだけで、夜白と美琴を一緒に座らせなんてしたら喧嘩勃発しちゃう!

と言うことで場所替えです。

南のヤンキー達はかさばるから置いていくそうです。





「初伊先輩、改めましてこんにちは……。」

「こんにちは、蛍君。」



げっそりとしている蛍君。

どうしたの?と聞けば。



「美琴先輩に行き先教えられないで此処まで連れてこられたんすよ。死にそう。南のヤンキーの睨み怖すぎ!!」




南のヤンキー達は面白いけど、見た目は強面さんばっかり。

しかも蛍君は東の副総長だし、睨みのターゲットになるだろうから……。

……それは、きっと怖かっただろうなぁ。


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