プリキス!!
「初伊ちゃん。」
急に話しかけられて、びくりとする。
声の主、美琴を見れば、ニコリと微笑まれて。
「遊佐達のその後、話してもいい?」
楽しい話ではないだろう。
そう予想がつくが、美琴は笑顔のままそう聞いた。
ブラックな笑顔。
なんだか聞くのが怖いけれど、もし美琴がそれを話す為にここに来たなら、聞かないと夜白にも美琴にも悪い。
恐る恐る、首を縦に振った。
「遊佐はね、退学になったよ。」
やっぱり────喜ばしい話ではなかった。
まぁ……どう考えても喜ばしい話になるはずがないよね。
遊佐さんには散々な目に合わされたけれど、顔見知りのその人が陰飛羽から追放されたと聞けば、なんとなく変な気持ちになる。
同情……?
憐れみ……?
それよりも、なんとなく“寂しさ”に近い気持ちだ。
黙っていれば、何かを勘違いしたらしい美琴。
「足りない?やっぱ腕の一本や二本……」
恐ろしい事を平気な顔で言っちゃうものだから、
「ス、ストップ!」
半ば叫ぶ勢いで彼を止めたんだ。