プリキス!!
「……秘密にしてね?」
肯定も、否定もしない返答だったけれど、示す意味は紛れもなく肯定。
騒ぐクラスメイトにえも知れぬ優越感を抱いて、ただただ幸せな気分に浸っていただけだった。
────この時は、まだ自分が引き起こしたことの重大さに気づいていなかったんだ。
それからすぐに、私がアオだって水南中に広まった。
もしこの中に本当に“アオ”がいて、私が“アオ”を名乗ってるだけだってことがバラされたらどうしよう。
時々そうは思ったけれど、それを恐れて撤回なんて恥ずかしくてできないし、したくなかった。
だって私は特別だって、皆に見せつけたかったんだもん!
私がアオだって噂が広まってから、ほんの数日後。
「美蒼!美蒼!!」
放課後、いつものように帰ろうとする私を引き止めたのは割と仲のいいクラスメイトで。
息を切らして走りよる彼女に、どうしたの?と理由を求めた。
「外に、信じられないくらいの美少女が立ってて、アオを呼んで下さいって……!」