プリキス!!



天真side




女関係が爛(ただ)れているのは百も承知だ。




来る者拒まず去るもの追わず。

女の子なら皆、その全てが可愛らしく思えるから、求められるものに応えて、その見返りを私が求めて。



そんな事をしていたある日、灰音があまりの修羅場の多さにキレて、美女に変貌するという大事件が起きたりして。



“北校総長 北原天真”の女関係の噂は、その前もその後も変わらずその数は陰飛羽史上最多って位囁かれ続けていたけれど、

今回みたいなパターンは初めてだった。







たまたま見た掲示板で、面白い話を知った。








その話は、本当に“愉しめそうな”噂だった。

さて、どう調理したものか……。


私は大きな赤い皮のソファーに足を伸ばしながら座り、パソコン片手に、口角が上げながらその掲示板を読み直していた。






ニャアオ───



そんな時、外から総長室に入ってきたのは白猫。

悠々自適に北校連盟の敷地内を我が物顔で歩く彼女は、首元の鈴を鳴らしながら喉を鳴らす。





「ねぇ、チェーロ。君も楽しみですか?」




そう話かければ、彼女はまたニャアオと鳴いた。



青い目に白い毛並みのチェーロは、灰音の飼い猫だ。

猫は懐かないなんて言うけれど彼女はよく私に近寄ってくる。

飼い主の灰音よりも、きっと懐かれているだろう。



灰音は過保護かつ世話焼きな一面を持つ。

猫はそういうのを好まないからね。

彼女はよく灰音から逃げて私のところへ来るんだ。




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