プリキス!!
だって、めぐは……。
仮に動物が喋り出しても、太陽が西から東に沈んでも、
地球が滅びようともきっと、何も思わない。
烏丸と関係がなければね。
逆に、烏丸のためだったら、大犯罪をすることも……死ぬ事だって厭わない。
俺の認識が間違っていなければそういう人。
めぐをじっと見つめれば、彼は俺の方を気にする事無く、急いだ様子で歩き始めて。
現在見えるのは、めぐの背中だけ。
質問は、完全スルーされたんだ。
「泥だらけの盗人が、宝石を盗み出した。行成、お前ならどうする?」
めぐから俺の望む答えは返ってこなかった。
けれど西凛から出るときに、そんな訳のわからない事を聞かれて。
「……俺目線で?俺の答えは常識人とは違うけど。」
「いいよ。」
「制裁、するかな。もう二度と盗み出せないように、指を5本とも潰す。」
頭がおかしいと思われるかもしれないけれど、それが俺の生き方で。
めぐは、俺のその答えを聞くと、少し微笑んで「お前のそういうところ、嫌いじゃない」と言った。
北校連盟の倉庫を目指す。
スカッスカの道路でバイクで飛ばして所要時間は20分弱。
何処か冷たさを感じさせる灰色の倉庫に映える、赤色のスライド式のドアは何故か……
開いていたんだ。
バイクを入口近くに乗り捨てると、めぐは倉庫の中に走って行った。
俺も後を追う。
バイクをきっちりと止めてから、赤色の扉の向こうに足を進めた。