プリキス!!



遠くの方で、ガタンと音がした。

片桐も春瀬も俺も音のした方を見れば、やってきたのは息を切らした吉良先輩だった。



「今……ハァ……どうなってる……っ。」

「吉良先輩、何でそんなに息を切らして……。」



あまりにも苦しそうに、俯いて呼吸を整えている。

吉良先輩はバイクではなく、走って此処まで来たと言っても不思議じゃない位のぜぇはぁ感だ。




「これで、四校連盟総長副総長、全員集合って訳か。」



春瀬はポツリと呟いた。

そうだ。これで、揃ったんだ。




本来なら仲が悪すぎて、四校連盟集会の時くらいしか会うことはない。

それなのに、“アオ”と言う名前一つで……

いや、“烏丸初伊”という名前一つで、そいつらを召喚出来ちゃうんだから、やっぱ烏丸は凄い。





「春瀬。何を勘違いしてるか分からないが、アオは此処にはいないぞ。」

「……みたいだね。」



吉良先輩は、いつも通りのポーカーフェイスに戻り、落ち着いた口調でそう言った。

春瀬はバツが悪そうにしている。



「初伊なら、南にいる。……ちなみにそこで殴りあってる奴だが、南に初伊がいる事を知って何やらやらかしてる確信犯だ。」




すまない、と自らの総長の失態に頭を下げる吉良先輩。

あ、あの、やめて下さい。

吉良先輩が頭を下げる必要があるなら、俺達副総長は皆頭を下げあわなきゃいけないじゃないですか。

強いて言うなら、頭を下げる必要があるのは春瀬だと思うけど……。



そんな事よりも何よりも、俺は気になっていた事を吉良先輩に聞く。


「吉良先輩、烏丸は今もちゃんと南にいますか?」


「……ああ。……ここにきっと橘達もいると言ったら、着いてくると煩くて………必死にバイクを走らせてきた。」



だから、そんなにぜぇはぁしていたのかと事態を理解。



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