プリキス!!
天音先輩はふわりと花のような笑顔を向けてくれた。
会長と副会長の関係以前にお姉ちゃんと天音先輩は中学の時からの親友同士で、私も何かとつけて可愛がってもらってる。
この学校で、お嬢様言葉を使わないで話せる、数少ない人。
「お姉ちゃんじゃなくて、天音先輩に聞きたいことがあってきました。」
ん?なあに?と首を傾げる天音先輩に
お姉ちゃんには言わないで下さいねと念を押す。
「景南高校って何処ですか。」
そう言うと先輩は目を見開いた。
天音先輩を探してた理由は、景南への行き方を教えて貰うため。
副会長である天音先輩なら、仕事の関係上絶対知ってると思ったから。
「景南に行きたいの?……オススメはしないけど。」
あそこは荒れてるし、初伊には危ないと思うけどと心配してくれる先輩。
お姉ちゃんと天音先輩は結構過保護だ。
だから、夜の不良満載の学校にいたなんて、口が裂けても言えないね。
「副会長として言わせてもらうと初伊、東西南北に関わるべからずって「分かってます。」」
「それでも……お願いします。」
……スマホのために。
真剣さが伝わったのか、天音先輩はいつもの優しい顔になる。
「可愛い妹の頼みだもの、聞いてあげる。」
ポンポンと頭を撫でられる。
ありがとうございます!と頭を下げると、
ただしこれっきりだよ、ついておいでと天音先輩は玄関に向かって歩き出した。