プリキス!!
「ほんとーのっ、ほんとーにっ?!」
念を押してもう一度尋ねる。
だけど先輩は、分かってますってと言うんだ。
「むしろ……分ってないのは、初伊の方だと思いますよ?」
更には分ってないのはむしろ私だと、そう言う。
チッチッチッ。
舐めてもらっちゃ困りますな。
私には今まで培ってきた知識がある。
漫画から取り入れた知識。
実体験こそしてないけれど、高校生の恋愛物だってたくさん読んできた!
だから自信を持って、分かってますと言ったんだ。
「本当の本当に?」
「本当の本当に!」
さっきとは質問者が逆になる。
私が答える側となって、天真先輩に問い詰められた。
話している間、やはり終始笑顔だった天真先輩。
何だか怖い、そんな気はするんだ。
好んで関わるべきではないっていうのは分かるけれど、カリスマ性ってやつのせいなのか。
先輩の柔らかい雰囲気に、次はどんな質問が来るんだろうと、心の奥底で期待している自分に気がついて、鳥肌がたった。
この人のこういう所が怖い。
やっぱり、気付いたら彼の柔らかい雰囲気に流されている。
警戒心を、無理矢理解かされてる。
この人はきっと……
異様なまでに人の心を掴む何かを持っているんだ。
こっわ……!