プリキス!!








取り敢えず校門の前に立ってみるけど……



「……ねぇ、あれ。」

「うちの生徒じゃないよね。」




ジロジロと視線に晒されるのは、あまり得意ではない。


考えるだけでも苦痛な日々を、思い出させてしまうから。

私がまだ、本当に“烏丸初伊”だった時の事を。



「カナ女……?」



・・・。


“カナ女”というワードに一気に現実に引き戻されたよね。

え、バレた?


違うでしょ、景南の皆さん!

カナ女じゃなくてね!



「水南だよ。カナ女と制服似てるし。」


「ああ、あのなんちゃってカナ女の。」



その通り!ボソッと言った誰か、ナイス!

狙ってました。水南女子高校風。



カナ女の制服は、紺色の膝丈、いわゆるスケーターワンピースというもの。


胸元の赤いリボンとゴテゴテのブローチしかこれと言った特徴はない。


水南女子高校は通称“南の中のカナン女学院”と呼ばれているだけあって、対抗心バリバリで、結構目の敵にされている。


ほぼお揃いの紺色のワンピースに青いリボン、それと袖に青いラインが入っただけの水南の制服は、大きめのパーカーでリボンもラインも見えなくすると出来上がる。


あっという間に水南女子でしょ!




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