プリキス!!
てか……南城君の為になんでそこまでしなきゃいけないわけですかー。
でも断ることはできない。
私は囚われの王子(スマホ)の為に悪い魔法使いを追いに「初伊。」
その人は、バイクの音と共に現れた。
周りが一気にしんとする。
視線どころか、誰もこっちを見ない。
それほどまでに、この人は……まるで虎のような、近寄り難い雰囲気を出している。
「……悪い魔法使いの登場だ。」
「あ"?」
「ていうか、南城君、どこから来たの?」
てっきり校舎から来ると思ってたのに、南城君は普通にバイクで外からやってきた。
「北校とのシンボクカイやってきたんだよ。全く親睦する気はねぇのにな。」
「あはは。(棒」
でさー、と南城君に話を切り出す。
「スマホ返して。」
ん、と手を出すが、返ってきたのは沈黙。
私を無言でじっと見つめる。
「……何?何かついてる「返してほしいか?」
・・・。
「当たり前でしょ!そのために来たんだから。」
何を言い出すんだ、この人は!
返して欲しくなかったら此処に来てないから!
天音先輩に頼まないから!
ちょっと予想外な質問に心の中でずっとツッコんでしまった。
「じゃあ少し、付き合え。」
「やだ。」
わずかばかりの反抗だが、睨んでみる。
「行かないもん。」
「……。」
「行かないから!」
「……。」
腕を組んで無言で見下げる南城君は、恐ろしくて。
「〜〜〜っ、どこまで行けばいいですか!?」
「ついて来い。晩飯奢ってやるよ。」
割とあっさり負けてしまったのだった。