プリキス!!




「お姉さん。ご無沙汰してます。」




西巴は私に気がつくと張り付けたようないい笑顔で挨拶をしてきた。



天音にも敬語を使わないし、先輩を全く敬う節がない彼だけれど、私には比較的態度がいいのはもちろん初伊の家族だから。



というか……



「あなたのお姉さんになった覚えはなくてよ。」


「間違えました。“義理”のお姉さんですね。」




心なしか柔らかくなった笑顔の西巴は、それはもうこの世のものとは思えない程綺麗で。


不良達はもちろん、うっかり天音まで頬を染めてしまったようだけれど、私は騙されなくてよ。




「それこそ間違えよ。あなたにいつ初伊を嫁に出したかしら。あの子はあなたより性格の良い、もっと相応しい人と結婚すべきだわ。断固反対よ。」


「お姉さんは相変わらず可愛げが皆無ですよね。烏丸家DNAの綺麗な顔に騙されてくれる人がいて良かったですね。北原天音を離さない方がいいですよ。嫁に行き遅れます。」


「あなたこそ、その唯一まともとも言える身なりがひどいサマよ。なぁに、その額についているもの。みっともないんじゃなくて?」





売り言葉に買い言葉。



互いに笑顔を絶やさず、最早冷戦とも言える視線の交わし合いをしていると。


まったく!と言う声が聞こえて。





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