プリキス!!
「だめだって、恵!」
「クイーンの妹だから?」
クイーンが何かを説明するには、中央高校とは何かを先に説明しなきゃいけないね。
中央高校は、東西南北勢力の影響を受けない中立組織で、過去に東西南北の権力争いが熾烈化したときには、中央が当代トップとして君臨したとか。
聖カナン女学院と紫翠男子高の二校だけが中立高校で、この高校には良家の令息令嬢のみが入学出来る。
万が一自分の連盟が弱かった時のリスクは高いから、安全に人脈だけを広げたい人や、一般階級の生徒を怖がる生粋の令息令嬢が入学してくる事が多い。
ちなみに私はカナ女生です。
私はそういう理由ではなく、お姉ちゃんがいたから選んだんだけどね。
あ、ちなみに両校の校訓の一つは“東西南北に関わるべからず”です。
で。
クイーン、それからキングってのは、東西南北でいう各校連盟総長と同意な訳であって
クイーンはカナ女の生徒会長が、キングは紫翠の生徒会長が務める。
その当代クイーンが私の2個上の姉、高3の烏丸 志乃(からすま しの)である。
つまり、中立……
東西南北と関わらないというのが売りの高校の、しかもそのトップの妹が西校連盟総長と関わるのは良くない。
まあ恵が勝手に来るのは仕方ないから、会うのは良いとして、西校連盟に行くのはさすがにまずい!
それこそバレたらお姉ちゃんの立場が無いし、私も冷たい視線を残りの高校生活浴びるのよ?!
そんなのはこの町の常識じゃん!
「もう、我が儘だなぁ。」
「こっちのセリフだよ。」
「だから、バレなきゃいいんだよ。ほら、これ着ればいいじゃん。」
ね?と笑顔で押し切られそうになってしまう。
「……バレたら責任とってね。」
押し切られそうに、改め押し切られた私は、渋々紙袋を受け取った。
恵には外で待っててもらって私はコンビニに入った。