プリキス!!
荷物を置いて、メニューを見てみると、確かに隠飛羽のファミレスとは訳が違う。
まず、“最高級国産フィレ肉使用”とか、“王族御用達”とか媚売ってない。
ダイレクトに“おいしいハンバーグ”とか書かれてるよ。
そして最も違うのは……
「フライドポテト……300円?メガなのに?安っ!」
そう、値段。
千円札を出さないで買えるなんて、もう感銘を受けています。
こうして見てみるとかなり隠飛羽とは違うんだな。
ふと視線を感じて顔を上げてみると、頬ずえをついた南城君が私を見ていた。
「……何?」
……え、なんかついてた?
ちょっと返事にどきどきしてたんだけれど、返ってきたのは予想外な返事。
「笑ったな。」
「え……うん、そりゃね。」
楽しいからね、と言うと、そうかと南城君は微笑みをこぼした。
「そこで楽しいが出てくるところが、お前、出来た人間だよな。」
「出来た人間?」
「別名男たらし。」
「それ出来てるって言えるの?」
「最高級の褒め言葉だぞ。」
褒めてはないと思うよ。
むしろ貶してるよね。
「初伊、鞄貸せ。」
「?」
言われるままに、スクールバッグを手渡すと、暫くじっとそれを眺めていた南城君。
何してるんだろう……とその様子を見ていると、ポケットの裏側からコードのようなものが日本出てきて。
あれ、私、こんなの持ってたっけ?と首を傾げれば、南城君が衝撃の真実を告げる。
「やっぱり付いてたな。盗聴器。これはGPS。」
……はい?
「これは誰がつけたと思う?」
思いつくのは一人しかいない。
「……恵。とうとう犯罪行為に……!」
「残念。」
「……え。」
だってもう、アテがないよ。
誰がつけたって言うの?