プリキス!!
ドレスみたいにふわりと広がる藍色のワンピース
胸元にあしらわれた赤いリボンの真ん中にはルビーとサファイアが加工されたブローチがキラキラと輝く。
こんな高そうな制服を当たり前のように高校生が着る町だ。
コンビニも、品揃えがおかしい。
食品は全て国内ブランド。
チェロやバイオリンが陳列されていたりもする。
私の愛読書に描かれてるコンビニとは大違いだ。
制服姿の自分だったり、この豪華絢爛なコンビニだったり、ふと何かを見る度に私は自分……
烏丸 初伊を自覚する。
これでも私はお嬢様だったりする。
国内シェア3位を誇る烏丸財閥の御令嬢だ。
私の両親は、私が4歳の時に、亡くなった。
お姉ちゃんとアイツとは、正確に言うと従兄弟という間柄である。
それに更に色々なものも加えて、なかなか孤独な人生十六年を送ってきた訳だ。
それ故に逃げ道が漫画系になっちゃったんだけど。
でも、恵は私を一人にはしてくれない。
色々と困るけど、まぁ……嬉しい……かもしれなくもなくもなくもなくも……(エンドレス)
あ、回想は程々に、西凛の制服に急いで着替えなきゃね。
遅い、とか言われてうっかり侵入されたら困るし。
「中学の時はセーラーだったからなぁー……。懐かしいな。」
そんなこんなで恵に連れられ、わが家から歩いて15分。
隠飛羽町の西側に位置する西凛高校についたのでした。