プリキス!!




「恵、大丈夫?入るよ?」




相当弱ってるみたい。


ドアノブを回して入ろうとすると、待って!という恵の声。





「……駄目!絶対入ってこないで……。」



……え?


何で?と思っていると姫先輩が説明してくれた。





「さっきからそうなの。恵君、行成君しか入れてくれなくて……。部外者は入れてくれないの。」


困るよねぇ、と同意を求められたけど。





……部外者ね。


いっつもいっつも初伊初伊うるさいくせに、こういう時に限って遠ざけてくる。

イラッとくるよね。

……ばか。



私はそんなに出来た人間じゃないもん。



入ってくるな?



───無理かも、私、我が儘だから。






「え。」

「ちょ……」




入ったよ、部屋に。

だいたい普段ノックもしない恵にノックする必要はないよね。





「熱はどれくらいあるの?」


「初伊……。ごめん、出てって。」


「いやよ。」




熱さまシートを額に貼り、何故かあるベッドに横たわる恵は何処か弱々しく何で?と言った。



「いつもは私が嫌がっても無理やり(色々)するじゃない。仕返しだ、ばーか。」





それにこんな状態だって分かったら、放っておけないもん。


あ、扉開けっ放しにしちゃってた。


部屋の外には呆然とする不良達と姫先輩。


軽く会釈をして扉を閉めた。



< 61 / 422 >

この作品をシェア

pagetop