プリキス!!
「恵、大丈夫?入るよ?」
相当弱ってるみたい。
ドアノブを回して入ろうとすると、待って!という恵の声。
「……駄目!絶対入ってこないで……。」
……え?
何で?と思っていると姫先輩が説明してくれた。
「さっきからそうなの。恵君、行成君しか入れてくれなくて……。部外者は入れてくれないの。」
困るよねぇ、と同意を求められたけど。
……部外者ね。
いっつもいっつも初伊初伊うるさいくせに、こういう時に限って遠ざけてくる。
イラッとくるよね。
……ばか。
私はそんなに出来た人間じゃないもん。
入ってくるな?
───無理かも、私、我が儘だから。
「え。」
「ちょ……」
入ったよ、部屋に。
だいたい普段ノックもしない恵にノックする必要はないよね。
「熱はどれくらいあるの?」
「初伊……。ごめん、出てって。」
「いやよ。」
熱さまシートを額に貼り、何故かあるベッドに横たわる恵は何処か弱々しく何で?と言った。
「いつもは私が嫌がっても無理やり(色々)するじゃない。仕返しだ、ばーか。」
それにこんな状態だって分かったら、放っておけないもん。
あ、扉開けっ放しにしちゃってた。
部屋の外には呆然とする不良達と姫先輩。
軽く会釈をして扉を閉めた。