プリキス!!
「いやっ、あのっ……すみません、宮前さん。」
「何でえれなに謝る訳?」
「そのっ…………。」
うっわ、空気重っ。
宮前えれなは、姫であることに固執してる。
先代の恋人として随分ちやほやされてきたんだろうね。
だから、烏丸が邪魔なんだ。
だからもしかしたら───。
近づいてくる足音を察知して身を隠す。
出てきたのは、宮前えれなだった。
スマホを握り締めて、メールを打っているだろうその姿、普段のぶりっ子感はまったくなくて。
スマホに向けられているのは冷たい目線のみ。
やっぱり、……宮前えれなは危険人物かもしれない。
それにしても───。
「部外者」なんて、よく、烏丸に言ったよね。
ああ見えてあの子、メンタルが割と弱い。
今も結構気にしてると思う。
フォローしなきゃね。
そろそろ時間も経ったし、戻るとしますか。
そして向かった音楽準備室。
「果物ナイフあった……よ。」
そこにいたのは……
熱の篭った視線で烏丸を押し倒すめぐと、
そんなめぐに押し倒されてる烏丸でした。
え……キスしてる?!
病人何やってんの?!